2024/11/07
運転お役立ち情報

運転に必要な視力の基準

運転免許を取得するにはいくつかの試験をクリアしなければなりませんが、そのうちの一つに適正試験というものがあり、視力も一定の基準を満たさなければ運転免許証の交付を受けることができません。今回は運転免許を取得するにあたって必要な視力について解説していきます。

はじめに

運転免許の取得には大きく3つの試験に合格する必要があります。

それは「技能試験」「学科試験」「適正試験」の3つです。これら全てをクリアした時に免許証の交付を受けることができます。

今回は「適正試験」の中で行われる「視力検査」について解説します。運転免許の車種により基準が異なりますので、免許取得をお考えの方はぜひ事前にチェックしておきましょう。

検査内容

視力検査

視力検査では、「ランドルト環」と呼ばれるC字型のマークが使われます。C字の開いている方向を回答し、正答率で視力が判定されます。このとき、片目ずつ測定し、その後両眼での視力も確認します。誰しも一度は受けたことのある検査になりますのでイメージしやすいと思います。

深視力検査

この検査は大型自動車免許、中型自動車免許、準中型自動車免許、けん引免許、第二種運転免許を取得、更新する場合に行うものです。その他の車種では実施しません。

深視力検査では、三棹法の奥行知覚器を使って検査します。合計三本の棒があり、中央の棒のみが前後に移動しているので、左右の二つの棒と横並びに見えたタイミングでボタンを押すテストが行われます。この検査により、距離感や立体感が正確に判断できるかを確認します。

運転に必要な視力

それでは運転免許に必要な視力について、取得する車種ごとにご紹介します。

取得する免許 視力・深視力
大型免許
中型免許
準中型免許
けん引免許
第二種免許
【視力】
片眼の視力がそれぞれ0.5以上、両眼の視力が0.8以上あること。※片眼の視力が0.5に満たない場合は、左に掲げる免許の取得及び更新はできません。

【深視力】
三棹法の奥行知覚器を使い、2.5mの距離で3回測定し、平均の誤差が2cm以内であること。
中型8t限定免許
準中型5t限定免許
普通免許
大型特殊免許
大型二輪免許
普通二輪免許
【視力】
片眼の視力がそれぞれ0.3以上、両眼の視力が0.7以上あること。※片眼の視力が0.3に満たない場合は、もう片眼の視力が0.7以上、かつ視野が左右150度以上あること。
小型特殊免許
原付免許
【視力】
両眼の視力が0.5以上あること。 ※片眼の視力が0.5に満たない場合は、もう片眼の視力が0.5以上、かつ視野が左右150度以上あること。

視力が基準を満たさない場合

もし視力が基準に満たなかった場合、最悪の場合免許を取得することができません。

視力が心配な方は入校前に次のような対策を検討してみましょう。

入校前視力検査

私生活では裸眼の方も、運転時には眼鏡やコンタクトレンズが必要になる場合があります。特にハイスピードプランなど、短期集中型の免許取得プランの方は、自動車学校によっては入校早々に技能教習を受ける場合があります。

その時に視力の基準を満たしていない場合には技能教習を受けることができませんのでスケジュールに遅れが出ることとなります。

自動車学校に入校する時には、自動車学校にて事前に視力検査をすることができるかを確認し、できない場合には最寄りの眼科やメガネショップなどで検査をしておくとスムーズに入校することができます。

眼鏡やコンタクトレンズの購入

検査の結果、取得する運転免許に必要な視力が足りない場合には、眼鏡やコンタクトレンズを作成し、視力を矯正する必要があります。

特に初めて眼鏡をかける方は、見え方や距離感の違いに戸惑うことも多くなります。なるべく入校直前の眼鏡購入は避け、事前に眼鏡に慣れておくと技能教習でも快適に運転することができるでしょう。

また、技能教習の時には目線の取り方も指導されます。そのため色の入ったレンズを着用すると運転中の目線が確認しづらくなるため、なるべく技能教習の時には色の入っていないレンズを選びましょう。サングラスなどをお断りしている自動車学校もありますのでご注意ください。

その他注意事項

忘れ物に注意

技能教習で多く発生するトラブルが眼鏡やコンタクトを忘れてきてしまうということです。

運転の際に眼鏡やコンタクトの着用が条件付けられている場合には、忘れてきてしまうと技能教習を受けることができなくなります。そのためスケジュールに遅れが出て卒業予定日が遅れることがありますので、技能教習がある日は家を出る前に必ず眼鏡やコンタクトの忘れ物がないか確認しましょう。

カラーコンタクトの使用

免許取得時に度々トラブルとなるのがカラーコンタクトレンズです。

度の入っているカラコンで、瞳の色や、サイズに大きな変化が出ないという判断がされれば通常のコンタクトレンズと同様に検査を受けることができます。

ただし、著しく非使用時との外見的変化がある場合や、度の入っていないカラコンを使用する場合には検査できないことがあります。

特に、裸眼の状態で視力の基準を満たしている方で、度なしのカラコンを着用して検査を受ける場合、運転時の条件として眼鏡やコンタクトレンズの使用を義務付けられる場合があります。

2021年にカラコン使用についての規制緩和がありましたが、良しとするかどうかの判断が難しいこともあるため、検査時には使用しないことでトラブルを防ぐことができますので、教習期間中のカラコン使用は控えることをおすすめします。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は運転免許を取得する際の視力について解説しました。

視力検査を受ける機会は、定期の健康診断などで1年に1度の方が多いのではないでしょうか。自分の視力をよく知らないという方も少なくないと思います。

視力の条件が満たせず、免許取得のスケジュールに遅れが出てしまうこともしばしば起こりますので、ぜひ事前に確認をして運転免許取得に臨んでみることをおすすめします。

この記事を読んでスムーズな免許取得につながれば幸いです。今後も運転や免許取得に役立つ情報をまとめていきますのでぜひご覧ください。それでは。