運転免許を取得した際、「◯◯現象」といったものをいくつか勉強したのではないでしょうか。気になって調べてみると「◯◯現象」がたくさん見つかりました。そこで今回は運転にまつわる「◯◯現象」をご紹介します。
ハイドロプレーニング現象とは、雨の日や水たまりが多い路面で高速走行している際に、タイヤと路面の間に水の膜ができてしまい、タイヤが路面との接触を失う現象です。この状態になると、車の操作が効かなくなり、ハンドルを切っても曲がらない、ブレーキを踏んでも減速しない、といった非常に危険な状況に陥ります。
ハイドロプレーニング現象の主な原因は、タイヤが路面の水を排水しきれなくなることです。これには以下の要因などが関わります。
・速度の高さ
高速走行ではタイヤが水を十分に排水する時間がなくなり、路面との接触が失われやすくなります。
・タイヤの溝の摩耗
タイヤの溝は水を排水して路面との接地を確保する役割を果たします。溝が摩耗していると排水能力が低下し、水の膜ができやすくなります。
・空気圧の不足
タイヤの空気圧が低いと接地面が広がり、排水能力が低下して水の膜が形成されやすくなります。
・路面の状態
路面に水たまりがある場合や、排水が悪い道路では、タイヤと路面の間に水が入り込みやすくなります。
ハイドロプレーニング現象への対策としては以下5点が効果的です。
・速度を控えめにする
雨の日や水たまりの多い道路では速度を落として走行することで、タイヤが水を排水しやすくなり、ハイドロプレーニングを防ぐことができます。
・タイヤの点検と交換
タイヤの溝が十分にあることを確認し、摩耗している場合は早めに交換しましょう。また、溝の深さが4mm以下になると排水能力が大幅に低下するため、早めのタイヤ交換が事故防止に効果的です。スリップサインが出たらすぐに交換しましょう。
・タイヤの空気圧を適正に保つ
定期的に空気圧を確認し、適正値を維持することで、タイヤの接地面積と排水能力を確保できます。
・水たまりを避ける
可能な限り水たまりを避けて走行することで、ハイドロプレーニングの発生リスクを減らすことができます。
・急な操作を避ける
雨天時には急ブレーキや急ハンドルを控え、車の動きがスムーズになるよう心がけることが重要です。
スタンディングウェーブ現象とは、高速走行中にタイヤに異常な熱が発生し、タイヤが変形して走行性能が低下する現象です。特に空気圧が不足しているタイヤで発生しやすく、高速道路などで起こるとタイヤの損傷やバースト(破裂)の原因になり、大事故につながる危険性が高まります。
スタンディングウェーブ現象の主な原因は、タイヤの空気圧が低い状態で高速走行することです。タイヤは通常、回転することで路面との摩擦熱が発生しますが、空気圧が適正であればタイヤは正常な形状を保ちながら熱を分散できます。しかし、空気圧が不足するとタイヤの接地面が大きくなり、タイヤの側面が大きくたわむようになります。このたわみが一定の速度以上で走行すると、タイヤの側面に波のような変形が生じ、過剰な熱が集中してタイヤが損傷するリスクが高まり、やがてはタイヤをバーストさせてしまいます。
スタンディングウェーブ現象を防ぐためには、まずタイヤの空気圧を適正に保つことが重要です。運転前や長距離ドライブの際には、タイヤの空気圧を確認し、適切な範囲に調整しましょう。適正な空気圧は車の取扱説明書や運転席側のBピラー(運転席ドア枠部分)に記載されていますので、参考にしてください。
また、タイヤの摩耗や異常なすり減りがないかも定期的に確認し、劣化したタイヤは早めに交換することで、スタンディングウェーブ現象を予防できます。さらに、高速走行時にはタイヤに負担がかかりやすいため、長時間の高速走行を避け、適度な休憩を取ることでタイヤの温度上昇を抑えることも効果的です。
シミー現象とは、車やバイクの走行中に、ハンドルが小刻みに左右に振れる現象です。
この振動は低速から高速までさまざまな速度域で発生する可能性があります。シミー現象が起きるとハンドル操作が不安定になり、最悪の場合は制御を失う危険性があり、特にバイクで発生すると転倒のリスクが極めて高くなるためあらかじめ防止措置をとる必要があります。
調べてみますと、シミー現象は車両のタイヤやホイール、ステアリングシステム、積荷の状態に異常がある場合に発生しやすいようです。主な原因は以下の通りです。
・ホイールバランスの乱れ
タイヤやホイールの重量が均等でない場合、回転中に振動が発生し、これがハンドルに伝わることがあります。
・タイヤの摩耗や変形
タイヤが不均一に摩耗していたり、タイヤ表面に異常な変形があると走行中に振動が生じます。
・ステアリング部品の緩みや劣化
ステアリングのリンクやジョイント部分が劣化したり緩んでいると、振動が増幅されシミー現象が発生することがあります。
・サスペンションの不具合
サスペンションが劣化していると、路面の衝撃を十分に吸収できず、ハンドルに振動が伝わります。
・タイヤの空気圧不足
タイヤの空気圧が適正値より低い場合、タイヤが正しく接地しなくなり振動が発生します。
・路面の影響
荒れた路面や連続した小さな凹凸がある場所を走行するとハンドルが振動しやすくなります。
・偏った積載
トラックやバイクなどで後方に荷物を過剰に積み、車両の前後のバランスが著しく崩れている状態もシミー現象を発生させる要因の一つとして考えられています。
・ホイールバランスの調整
定期的にホイールバランスを調整することで、回転時の振動を抑え、シミー現象を予防できます。
・タイヤの点検と交換
タイヤの摩耗状態を確認し、不均一な摩耗や変形が見られる場合は早めに交換しましょう。特に偏摩耗が進んでいる場合は、アライメントの調整も検討してよいでしょう。
・空気圧の確認
タイヤの空気圧を適正範囲に保つことが重要です。適切な空気圧は車両の取扱説明書や運転席側のBピラー(運転席ドア枠部分)に記載されています。
・サスペンションとステアリングの点検
サスペンションやステアリング系統の部品が劣化していないか、また緩んでいてがたつきがないかを定期的に点検します。異常があれば部品の交換や整備を行いましょう。
シミー現象は、車両のメンテナンス不足や部品の劣化が原因で発生することが多いですが、適切な点検や整備を行うことで予防できます。特に、タイヤやホイール、サスペンション、ステアリングの状態を定期的にチェックし、異常があれば早めに対処することが安全運転につながります。運転中にシミー現象を感じた場合は、そのまま放置せずに整備工場で点検を受けることをお勧めします。
フェード現象とは、長時間や急な坂道の走行でブレーキを多用した際にブレーキの効きが徐々に弱くなってしまう現象です。
この現象は、特に重い車や高速走行中に起きやすく、運転手にとっては重大な事故の原因となる可能性があります。フェード現象が起きると、普段と同じようにブレーキを踏んでも、車が思うように減速せず、止まりにくくなるため注意が必要です。
フェード現象の主な原因は、ブレーキが過熱することによるものです。
ブレーキをかけると摩擦により熱エネルギーが生じ、次第にブレーキが加熱されていきます。過度にブレーキを使い続けると、ブレーキ内のパッドやディスクの温度が上がり、高熱により耐熱温度を超えたゴムが気化し、発生したガスがローターとの間に膜を作りブレーキの摩擦力が低下します。
例えば、長い下り坂などで車が加速してしまい、頻繁にブレーキを使い続けてしまうとこのような事態になってしまうことがあります。
フェード現象を防ぐためには、主に「エンジンブレーキを活用すること」が重要です。
特に下り坂では、エンジンブレーキを使うことで、ブレーキペダルを踏む頻度を減らし、ブレーキが過熱されにくくなります。また、速度を控えめにし、必要以上にブレーキを使わないように心がけることも大切です。
さらに、ブレーキの定期点検も重要です。摩耗したブレーキパッドや古いブレーキフルードは、フェード現象を引き起こしやすくするため、ディーラーや自動車整備ショップの整備士によるチェックを受け、交換が必要な場合は早めに交換しましょう。
また、長時間の運転や坂道を走行する際には、途中で休憩を取り、ブレーキが冷却される時間を作ることも有効です。長距離ドライブなどでは一般に2時間に1度は休憩を取ることが推奨されています。とはいえ状況によっては2時間を超える運転もへっちゃら!ということもあると思います。ですが、運転手のコンディションが良好であったとしても、フェード現象のように、自動車を休ませてあげた方が良いこともありますので、長距離ドライブなどの際には人にも車にも配慮した運転計画を立てることが良いでしょう。
ウォーターフェード現象とは、ブレーキディスクやドラムに水が付着したときにブレーキの効きが低下する現象です。
特に雨の日や水たまりを走行した後に起こりやすく、普段と同じ力でブレーキを踏んでも車がスムーズに止まらなくなることがあります。この現象は一時的ですが、突然ブレーキが効かなくなることがあるため注意が必要です。
ウォーターフェード現象は、ブレーキパッドやディスク、ドラムに水が付着することが原因で起こります。ブレーキは摩擦によって車を止める仕組みですが、パッドやディスクが濡れると摩擦力が低下し、通常のようにブレーキが効かなくなります。特に、水がディスクブレーキの隙間に入り込むと、ブレーキパッドとディスクの間に薄い水の膜ができて摩擦がさらに減少し、ブレーキの効果が一時的に失われることがあります。ドラムブレーキでも同様のことが発生する恐れがあります。
ウォーターフェード現象を防ぐためには、雨天時や水たまりを通過した後には、まず軽くブレーキをかけてブレーキが効いているかを確認しましょう。万が一制動力が低下している場合にはすでにウォーターフェード現象が起きている可能性があります。
その場合には継続的にブレーキをかけます。これによりブレーキ内の水分をとばし、通常の制動力を取り戻しやすくなります。この時、急激に水分が飛び、一気に制動力が回復し急ブレーキにつながる恐れもありますので、後続車との車間距離には十分注意しましょう。
雨天時には車間距離を十分に取って走行し、スピードを控えめにすることも大切です。これにより、万が一ウォーターフェードが発生しても余裕をもって対処できます。
また、定期的にブレーキの点検を行い、ディスクやパッド等の状態を確認することで、長期間にわたって安定した制動力を保つことができます。
ベーパーロック現象とは、ブレーキフルードが高温になり、内部に気泡が発生することでブレーキの効きが著しく低下する現象です。特に長い下り坂でブレーキを多用する際や、重い荷物を積んでいるときに起こりやすく、急にブレーキが効かなくなることがあるため、重大な事故につながることがあり大変危険な現象です。
ベーパーロック現象の主な原因は、ブレーキフルードが高温にさらされることです。通常、ブレーキフルードは耐熱性があり、熱によって簡単には沸騰しないように設計されています。しかし、ブレーキを頻繁に使用して過熱が続くと、ブレーキパイプの内部温度が高くなり、ブレーキフルードが沸騰し気泡が発生します。この気泡は圧縮されやすいため、ブレーキペダルを踏んでもその力がうまく伝わらず、「スカスカ」とした感覚になり、ブレーキの効きが著しく低下します。
ベーパーロック現象を防ぐためには、まずブレーキを連続的に使用しすぎないようにすることが大切です。長い下り坂や高速道路での減速時には、エンジンブレーキも活用し、できるだけブレーキペダルへの負担を減らしましょう。さらに、定期的なブレーキフルードの交換も重要です。ブレーキフルードは時間が経つと水分を吸収しやすくなり、水分を含んだブレーキフルードは沸点が下がることでベーパーロック現象を引き起こし安くなるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
また、ブレーキの点検時にフルードの色や状態を確認することも有効です。通常一般的なブレーキフルードはサラダ油のような黄色がかった透明の液体ですが、劣化したフルードは茶色や黒っぽく変色します。そうなっては水分を含んでいる可能性が高いため早めに交換しましょう。これにより、高温時の沸騰を防ぎ、ベーパーロックのリスクを減らすことができます。
蒸発現象(グレア現象)とは、夜間に自車と対向車とのライトの光の間にいる歩行者や自転車などが運転手から一時的に見えなくなる現象をいいます。危険の発見が遅くなるため、回避行動が遅れ接触・衝突事故などの危険があります。夜間に限らず、日中でも、曇天や雨天などで暗い時にも発生することがあります。
対向車に近づくにつれ前照灯の光が強まることで運転手はまぶしさを感じ、光が当たっている部分にあるものが見えにくくなることが原因と言われています。
夜間は、白などの明るい服や、反射材のついた服装を着た歩行者は、そうでない歩行者と比べ視認しやすいですが、この蒸発現象では白などの明るい服や、反射材のついた服装を着た歩行者も視認しづらくなり、発見が遅れます。
上向きの前照灯(ハイビーム)は対向車の運転手に与える眩しさも大きくなるため蒸発現象が発生しやすくなります。
また、雨の日の運転では、雨粒や水たまりで光が乱反射して蒸発現象を引き起こす可能性があるため、特に雨の日の夜間には注意が必要です。
夜間には蒸発現象が発生しうることを意識し、あらかじめ光の中から歩行者などが現れても回避できるだけの速度で走行したり、間隔を確保するなどの対策をとると良いでしょう。
そして、ヘッドライトの向きは、通常走行時は上向き(ハイビーム)、対向車などとすれ違う時は下向き(ロービーム)に切り替えて適切に活用し蒸発現象を防止し、いち早く歩行者などの発見に繋げられるようにしましょう。
ウェットスキッド現象とは、雨の降り始めに路面に浮かび上がった土やゴミなどが原因で、タイヤと路面との間に発生する摩擦の力が低下し、滑ってしまう現象です。
ウェットスキッド現象は雨の降り始めに発生しやすく、特に雨の降りはじめは路面に堆積していた土やゴミ、油といったものの微粒子が浮き上がり、路面に薄い膜を形成することで、タイヤと路面との間の摩擦係数を低下し、スリップしやすくなります。この時に急ブレーキや急ハンドルなどの操作があるとスリップしてしまい事故につながる恐れがあります。
雨の降り初めなどで路面が濡れ始めた時には速度を抑えて運転することで、ウェットスキッド現象を防止することができます。また、万が一滑ってしまった場合にも追突しないだけの安全な車間距離も確保して運転しましょう。
一件綺麗な路面に見えてもウェットスキッド現象は発生してしまうことがありますので、土埃などがある道路などはもちろんのこと、綺麗な道路でも雨の降りはじめは慎重に運転しましょう。
コリジョンコース現象とは、交差点などで別の車の存在を認識しているにも関わらず、錯覚を起こし、走行中の相手車両が停車しているように見えてしまうことで、無警戒に交差点に近づき衝突事故を起こしてしまうというものです。田畑の広がるような見通しの良い環境で発生することが多い事故のため田園型事故などとも呼ばれています。
この現象の主な原因は、視覚の錯覚にあります。人間の目は、遠くの物体が近づくときにその大きさや角度が変わることで距離を認識します。しかし、車が直線的に同じ方向から近づくと、その見かけの位置がほとんど変わらず、あたかも止まっているかのように錯覚することがあります。これにより相手の動きを過小評価してしまい、普段であれば周りの交通に注意して運転する場面でも無警戒に運転しまい事故にながってしまいます。
クリープ現象は、オートマチックトランスミッション(AT)車の特性により生じ、チェンジレバーがPやN以外に入っている時にブレーキペダルから足を離すと勝手に動き出す現象をいいます。
AT車では、エンジンがアイドリング状態でも少しの力が伝達系に伝わるようになっています。具体的には、エンジンの動力がトルクコンバーターという装置を通じて最終的にタイヤ伝えられ、車がごくわずかな力で前進または後退する仕組みになっています。
また、AT車の中にはクリープ現象が起こらない車もあります。日本で販売されているAT車(AT、CVT、DCT等)の多くはクリープ現象や、それを模倣した動きがされるように設計にされており、低速時の繊細な速度調整をしやすくしています。クリープ現象が起こることにより車庫入れ時のバックなど、慎重に運転したい場面でアクセルペダルを踏まず、ブレーキペダルで速度調節ができるためクリープ現象は非常に便利な現象です。この時クリープ現象が生じないとアクセルペダルとブレーキペダルの両方を使いながら速度調整してバックしなければならないため、操作を誤ると後退し過ぎて思わぬ事故に繋がりかねません。
AT車の中にはクリープ現象が発生しないものもあります。特に海外からの輸入車に採用されているケースがあります。そのため、坂道発進では操作を誤れば大きく後退してしまいますし、バックする時もアクセルとブレーキの微調節で速度をコントロールしなければならないため、乗り慣れていない人にはクセのある仕様となっていますので注意が必要です。
クリープ現象から起こる交通事故へ対策としては、停車時はブレーキペダルに足を置いて、必要ない限りはブレーキを離さないように意識することです。
例えば信号待ちなどで停車した時、うっかりブレーキペダルから足を離してしまうと車はゆっくり前進してしまいます。これに気が付かなかった場合、前方の車や、横断歩道を横断する歩行者などと接触してしまいます。そのようなことが想定されるため、停車時はブレーキペダルから足を離さないようにしなければなりません。
サブマリン現象とは、自動車の衝突事故時にシートベルトを着用しているにもかかわらず、体がシートベルトの下に滑り込んでしまう現象です。この現象が発生すると、シートベルトが本来の役割を果たさなくなり、腹部や頸部、脚部等が強く圧迫されることがあるため、重大な怪我を負うリスクが高まります。
サブマリン現象が起こる原因は、衝突時に強い力がかかり、体が前方に滑ることです。シートベルトは通常、胸や腰の部分にフィットして装着され、衝撃を分散させる設計になっています。しかし、シートベルトが緩んでいたり、正しい位置で着用されていなかったりすると、衝突の衝撃で体が前方に滑り、シートベルトの下に入り込む形になります。また、シートの角度が水平に近かったり、深くリクライニングしている場合にも、この現象が発生しやすくなります。
サブマリン現象を防ぐためには、まずシートベルトを正しく着用することが重要です。シートベルトは体にしっかりとフィットさせ、ベルトに緩みやねじれのないように装着し、腰部分のベルトが骨盤の上にしっかりかかるように調整しましょう。特にリクライニングシートの角度が水平に近いと体が前に滑りやすいため、シートを適切な角度に調整し、上体が過度に倒れないようにすることが大切です。
ジャックナイフ現象とは、トラクター(牽引車)とトレーラー(被牽引車)が「折りたたみナイフ(ジャックナイフ)」のように「くの字」に折れ曲がってしまい操作不能になってしまう現象です。この現象が起きると車両の制御が失われ、重大な事故につながる可能性があります。
主な原因は急ブレーキ、急ハンドル、急旋回といった”急”のつく運転操作によるものや、偏った積荷によるものが挙げられます。
トラクター(牽引車)とトレーラー(被牽引車)はカプラで連結されていて、運転に必要な「走る・曲がる・止まる」の3要素は運転席のあるトラクターで制御し、トレーラーはそれに追従します。
右左折をする場面では、トラクターが進行方向を右か左に変えても、引っ張られているトレーラーは慣性の力で直進し続けようとします。そのため急にハンドルを切るとトレーラーがうまく追従できずに横滑りを起こしジャックナイフ現象が起こることがあります。急ブレーキでも同様の事態が起こります。
カーブや右左折時、ブレーキによる制動時、下り坂などではトレーラーから大きな力がトラクター側に伝わります。トラクターとトレーラーが別々に動いていることを意識し、これらのシーンではあらかじめできるだけ安全な速度に落として運転することでジャックナイフ現象を防止することができます。
また、最近では横滑り防止装置の取り付けがされいて、ジャックナイフ現象の防止に役立ってはいるものの、とはいえ急な操作に対して完全に防止することはできないため、便利で安全な装置が付いていたとしても、過信せずにトレーラーの動きに注意して運転することでジャックナイフ現象による事故を防止しましょう。
いかがでしたでしょうか。
今回は教本に載っているものはもちろん、それ以外にもいくつかピックアップして、運転にまつわる◯◯現象についてご紹介していきました。調べてみるとまだまだ◯◯現象はたくさんあったのですが、私が理解できないものもたくさんあったため今回は以上とさせていただきます。機会がありましたら続編を書いてみようと思いますのでまたご覧いただけると幸いです。
それではみなさま、安全運転でカーライフをお楽しみください。