2024/12/14
運転お役立ち情報

卒業検定とは?

仮免試験、修了検定、卒業検定と、自動車学校ではいくつかの検定を受けることになりますがそれぞれどんな内容なのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は自動車学校で受ける「卒業検定」について、検定の仕組みや流れ、ポイントについて普通免許を例に解説していきます。

卒業業検定とは?

卒業検定は自動車学校で最後に行われる検定で、これに合格することで自動車学校を卒業することができます。

以前ご紹介した修了検定では、運転の基本がしっかりとできているかが主にチェックされるものでしたが、卒業検定では基本はもちろんのこと路上での応用運転ができているかが主にチェックされます。

普通自動車免許の卒業検定は一般の道路で行われます。そのため、卒業検定中には自動車学校内のコースでは起こり得なかった、歩行者の飛び出しや緊急自動車の接近など、様々なイレギュラーが発生する可能性があります。免許を取得してからは一人で運転していくことになります。教習の時のように助手席から補助ブレーキや補助ハンドルなどのサポートは受けられなくなるため、一人でも道路上で起こりうる危険をあらかじめ予測し、それに備えた法規走行・安全運転ができているかが重要なポイントとなります。

卒業検定の実施場所

卒業検定は、教習所の教習課程を修了した後に受ける試験で、この検定に合格すると自動車学校を卒業することができます。卒業検定は車種により一般の道路で行う場合と、教習所内で行う場合とがあり、下記のように実施されています。

路上検定 場内検定
普通車
準中型車
中型車
大型車
普通自動二輪車
大型自動二輪車
大型特殊車
けん引
限定解除

このように、仮運転免許証の交付のある車種は路上での練習が可能なため、卒業検定も路上で行われます。その他の車種は仮運転免許の制度がないため、免許を持たない人は一般の道路で練習や検定を行うことができないため、教習も検定も教習所場内で行われます。

路上で卒業検定を行う車種に関しては、路上での課題のほかに、教習所内で縦列駐車もしくは方向変換のバックの課題もあります。

卒業検定の流れ

卒業検定は一般的に下記の流れで進行していきます。教習所によって多少異なる場合もありますが、大まかな流れとしては下記のようなものになります。

1.検定受付

検定当日はあらかじめ案内のあった時間に自動車学校に向かい、受付にて検定受付を済ませましょう。この時本人確認があり、身分証明には運転免許証、仮運転免許証、保険証等が必要となります。事前に必要な持ち物に関しても案内がありますので忘れずに持参しましょう。うっかり忘れてきてしまうとその日のうちに検定を受けることができず、卒業までのスケジュールが伸びてしまうことがありますので注意しましょう。検定受付が済むと次に検定説明を行う教室を案内されますので、指定された教室に移動します。

2.検定説明

検定受付を済ませたら、指定された教室に移動し、検定説明があります。

検定説明では、採点の範囲や検定の注意点、検定コースや検定を受ける組み合わせが発表されます。検定員1人に対し受験者が1人〜3人で組み合わせられ、検定員の割り振りや走行コース、走行の順番などは検定当日の道路状況なども踏まえて当日に決められます。検定中は助手席に座る検定員がコース指示をしますので、あらかじめコースを覚えていなくても走行は可能です。地元でなく、不慣れな土地での検定となる方も多いですが、コースの心配は入りませんのでご安心ください。とはいえあらかじめコースを覚えていた方が事前に自分の走行のイメージを持てるため運転しやすくなるので、検定開始までできる範囲でコースを覚えることをお勧めします。

このあと検定開始となりますが、多少時間に余裕を持たせていますので、お手洗いなどを済ませておきましょう。

3.卒業検定開始

卒業検定は100点からの減点方式で行われ、最終的に70点以上の点数を残していれば合格となり、「路上走行」と「場内課題」の2つを実施します。実施する順番は教習所によって異なりますが、どちらから先に行うかは事前に案内がありますのでご安心ください。

路上走行

路上走行では、一人ひとりあらかじめ決められたコースを走行していきます。交通法規を守ることはもちろん、周りの交通にも気を配り、危険を予測した運転が出来ているかがチェックされます。

途中で路端への停車指示がありますので、適切な場所を選定し、周りの交通の妨げとならないよう速やかに停車させます。路上での検定コースのゴール地点で再び安全な場所を選び車を停車させ、駐車措置をとって路上走行は終了となります。

道路の混み具合や天候にもよりますが、六日町自動車学校で設定している検定コースは一人当たり概ね15~20分ほどの走行となります。検定中全て青信号だった場合にはさらに早く終わることもありますので、始まってしまえばあっという間です。

場内課題

場内課題では「縦列駐車」もしくは「方向変換」を実施します。方向変換は右方向にバックする「右方向変換」と、左方向にバックする「左方向変換」とがありますので、検定当日は「縦列駐車」「右方向変換」「左方向変換」の3つのうち1つを実施します。自分がどの課題を行うかは検定説明のコース発表時に案内があります。

いずれもバックでの課題ですので不安な方も少なくはないと思いますが、卒業検定までにしっかり練習していますので自信を持って臨みましょう。

4.合格発表

路上走行、場内課題が終われば、残すところは合格発表です。合否の発表と合わせて、今後の運転のアドバイスなどもありますのでこれからの運転に活かしていきましょう。

ここで合格だった場合には卒業式にて卒業証明書を受け取り、自動車学校での免許取得生活は終了となります。残念ながら不合格だった場合には受付にて今後の補修、再検定の予定について調整を行います。

卒業検定のポイント

卒業検定

それでは最後に卒業検定でのポイントをいくつかまとめていきます。

卒業検定を行なっていると残念ながら不合格だった方には共通して苦手な部分などが見えてきますので、そこをしっかりおさえられれば合格につながると思います。

1.検定中止項目(一発不合格)に注意

卒業検定は100点からの減点方式で行われ最終的に70点以上をキープ出来ていれば合格となりますが、度重なる減点で持ち点が足りなくなり、減点超過で検定不合格となるケースは稀です。卒業検定までに少なくとも31時限以上運転練習をしてきていますので皆さん卒業検定に十分合格できるレベルに上達されます。

しかし不合格となってしまうケースとして多いのが、一回の減点で不合格となってしまう「検定中止項目」に触れてしまうケースです。

検定中止項目はいくつかあり、代表的なものは検定説明時にも注意事項として説明があります。代表的な例は下記のとおりです。

  • 一時不停止
  • 信号無視
  • 進行妨害
  • 右側通行
  • 接触(大)
  • 脱輪(大)

などなど、中でも卒業検定では一時停止の標識を見落としてしまい一時不停止で一発中止となってしまうことがあります。

一時停止の標識の設置場所の中には、見通しの悪い交差点に設置されていることがあります。左右の見通しが効かないあまり、周りの交通に気を取られて標識を見落とし、一時停止できずに検定不合格となってしまうケースがありますので、標識や標示の見落としがないように気を配るのも卒業検定合格へのポイントとなります。

2.小さなミスを引きづらない

先ほどのように、一発で不合格となってしまう減点項目もありますが、反対に小さな減点で済むものもあります。「今失敗しちゃった」と気づいた時に、それを引きずってしまうといつも通りの運転ができなくなってしまいます。70点以上が合格となりますので30点余裕があります。検定中は緊張してしまうものですので多少の減点はつきものです。失敗してしまっても、気持ちを切り替えていつも通り広い視野で運転して運転を継続しましょう。

3.分からないことは事前に質問する

卒業検定はいつもの教習の延長線上にあります。練習の段階で「ここではどういうところに注意すれば良いんだろう?」「こういう場合は止まった方が良いのかな?」など、様々な疑問が出てくると思います。それを解消しないまま卒業検定を迎えてしまうと大きな失敗につながることもあります。検定中は検定員は受験者に対しアドバイスをすることはできません。本番中に「今待った方が良いですか?」などの質問はお答えできないため、自分で判断して運転しなければならないため、教習中に疑問に思ったことはすぐにその場でインストラクターに質問して、卒業検定本番に不安なことを残しておかないように備えていきましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は自動車学校で行われる最後の検定「卒業検定」について解説しました。

卒業がかかった検定ですので緊張されることと思いますが、教習で繰り返し練習してからの検定となりますので、これから免許取得や卒業検定を受ける方は自信を持って受けてみてください。

それでは今回はこの辺で。また次回のコラムもぜひご覧ください。