冬のドライブ、雪道運転はちょっと不安に感じる方も多いのではないでしょうか?特に運転免許を取ったばかりの方や、雪道の経験が少ない方にとって、雪道は未知の世界かもしれません。
今回は、そんな皆さんが雪道運転で「失敗しない」ための大切なポイントを、自動車学校の視点から分かりやすくお伝えします。事前の準備から実際の運転操作、万が一のトラブルへの対処法まで、雪道で安全に走るための知識がぎゅっと詰まっています。
この記事を読めば、雪道の不安を自信に変え、冬のドライブをもっと楽しめるようにまとめますので、ぜひ最後までご覧ください。

雪道での運転は、普段の運転とは大きく異なります。安全に走行するためには、特別な心構えが欠かせません。まず初めに、雪道を走る上で大切にしてほしい気持ちの準備についてお話しします。
雪が降った日や、路面が凍結している日は、乾燥したアスファルトの上を走るのとは全く違います。ブレーキの効き方、ハンドルを切ったときの車の反応、アクセルを踏んだときの加速感など、すべてが変化します。この根本的な違いを理解し、「普段通りの運転では危険が伴う」という認識を持つことが、雪道での安全運転の第一歩になります。
冬用タイヤを装着していても過信は禁物です。どんなに高性能な車や、高価なタイヤでも雪道での運転には大きな危険が伴います。状況に応じた慎重な操作が求められることを忘れないようにしましょう。
雪道運転は、普段よりも時間がかかるものです。信号待ちや渋滞、予期せぬトラブルなど、あらゆる事態を想定して、出発時間には十分な余裕を持つことが大切です。時間に追われていると、焦りから判断力が鈍り、急な操作につながりやすくなります。
目的地へ急ぐ気持ちはわかりますが、ゆったりとした気持ちで運転できる心構えが、安全運転には不可欠です。例えば、いつもより少し早めに家を出るなど、時間の使い方を工夫してみるのも良いでしょう。
雪道では、「もしかしたら滑るかもしれない」「対向車がスリップしてくるかもしれない」といった、常に最悪の事態を想定した「かもしれない運転」がいつも以上に重要になります。
路面の凍結箇所や、雪壁で見えにくいカーブの先など、危険が潜んでいそうな場所を事前に予測し、早めに減速したり、車間距離を広げたりする準備をしておきましょう。特に、橋の上やトンネルの出入り口、日陰になっている場所は、路面が凍結しやすい傾向にありますので、注意深く運転しましょう。
「目的地まであと少しだから」「このくらいなら行けるだろう」といった、安易な判断は非常に危険です。もし運転中に「これは危ない」と感じたり、天候が急激に悪化したりした場合は、無理をして運転を続けるのではなく、安全な場所に停車したり、引き返したりする勇気も持ち合わせましょう。
命よりも大切なものはありません。安全を最優先に行動することが、雪道運転における最も重要な心構えです。道路状況に関する情報は、例えば日本道路交通情報センター (JARTIC公式サイト) や、各地域の道路情報サイトなどで確認できますので、出発前や運転中にも活用してみてくださいね。道路に設置されたライブカメラの映像を見て、降雪状況を確認するのも安全運転に効果的です。

雪道運転は、普段の運転とは異なる危険がたくさん潜んでいます。だからこそ、出発前の準備が何よりも大切になります。準備をしっかり行うことで、雪道でのトラブルを未然に防ぎ、安心してドライブを楽しめるようになります。ここでは、雪道を走る前に確認しておきたいポイントを詳しくご紹介します。
雪道運転の基本は、やはり適切なタイヤを装着することから始まります。冬の路面状況に合わせて、最適なタイヤとチェーンを選びましょう。
スタッドレスタイヤは、冬の路面を安全に走行するために欠かせないタイヤです。低温でも硬くなりにくい特殊なゴムと、雪や氷をしっかり捉えるための深い溝や細かな切れ込み(サイプ)が特徴で、雪道や凍結路でのグリップ力を高めてくれます。
雪の多い地域にお住まいの方や、冬に頻繁に雪道を走行する方は、必ず車両の4輪すべてにスタッドレスタイヤを装着してください。また、スタッドレスタイヤの性能を維持するためには、溝の深さが新品時の50%以上残っているか、定期的に確認することが大切です。タイヤの空気圧も適正に保つようにしましょう。
ただし、スタッドレスタイヤを装着していても、大雪特別警報が発表されるような「チェーン規制」が発令された区間では、タイヤチェーンの装着が義務付けられますので注意が必要です。
スパイクタイヤは、タイヤの接地面に金属製の鋲(びょう)を打ち込み、氷を直接削ってグリップ力を確保する冬用タイヤです。特に凍結路(アイスバーン)では強い制動力・駆動力を発揮し、かつては積雪寒冷地で広く使われていました。 しかし、鋲がアスファルト舗装を削って粉じん(道路の削れカス)を発生させ、健康や環境への影響が問題となったため、日本では「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」により使用が厳しく制限されています。
そのため現在は、一般道路での使用は現実的ではなく、冬道対策はスタッドレスタイヤが基本です。どうしても冬道の安全性を高めたい場合は、スタッドレスタイヤの装着に加え、路面状況に応じてタイヤチェーンを併用しましょう。
タイヤチェーンは、スタッドレスタイヤだけでは対応が難しいほどの深い雪道や、アイスバーン、そしてチェーン規制区間を走行する際に一時的に使用するものです。万が一に備えて、ご自身の車のタイヤサイズに合ったものを準備しておくと安心です。
タイヤチェーンにはいくつかの種類がありますので、それぞれの特徴を理解して選びましょう。
【特徴】
金属製の鎖やワイヤーでできた昔ながらのタイプです。
【メリット】
雪道や急な坂道でのグリップ力に優れています。比較的安価で、コンパクトに収納できます。
【デメリット】
走行中の振動や騒音が大きく、乗り心地は劣ります。乾燥路での使用は破損しやすく、路面を傷める可能性もあります。
【特徴】
プラスチックやゴム、ウレタンなどの非金属素材でできています。
【メリット】
金属製に比べて装着が比較的簡単で、走行中の振動や騒音が少なく、乗り心地が良いのが特徴です。耐久性も金属製より優れています。
【デメリット】
金属製に比べて価格が高く、収納時にかさばる傾向があります。
【特徴】
特殊な繊維でできたカバーをタイヤに被せるタイプです。
【メリット】
軽量で装着が非常に簡単です。収納もコンパクトで場所を取りません。
【デメリット】
耐久性は他のタイプに比べて低く、主に緊急脱出用や短距離走行に適しています。価格は非金属製と同程度かやや安価なものが多いです。
どのタイプのチェーンを選ぶにしても、購入したら一度は装着の練習をしておくことをおすすめします。いざという時に焦らずスムーズに取り付けられるようになります。
なお、タイヤチェーンは雪上での駆動力で大きな効果を発揮しますが、制動力には大きな効果を発揮しません。「タイヤチェーンを装着すれば滑らず止まれる!」と勘違いしてしまうと、思わぬ事故につながるので注意しましょう。
雪道に出かける前には、タイヤやチェーンの準備だけでなく、車両全体の点検と情報収集も忘れずに行いましょう。
出発前には、目的地や走行ルートの天気予報、特に降雪予報や路面凍結の情報を必ず確認してください。国土交通省や各自治体のウェブサイト、道路情報板などで最新の道路状況(通行止め、チェーン規制など)をチェックすることが大切です。
冬は気温が低いため、バッテリーの性能が低下しやすく、バッテリー上がりのリスクが高まります。液量や比重、電圧などを確認し、必要であれば補充や点検を行いましょう。
通常のウォッシャー液は寒さで凍結してしまうことがあります。冬場は必ず寒冷地用のウォッシャー液に交換または補充してください。視界を確保するためには非常に重要です。
ワイパーブレードが劣化していると、雪や雨をきれいに拭き取ることができません。拭きムラがないか確認し、必要であれば冬用ワイパーへの交換も検討しましょう。
ヘッドライト、テールランプ、ブレーキランプ、ウインカーなど、すべての灯火類が正常に点灯するか確認してください。雪道では視界が悪くなることが多いため、自車の存在を周囲に知らせることは非常に重要です。
また、走行中にヘッドライトに雪が付着し、十分な光量が得られず暗くて運転しづらい状況になることもあります。そのような時には安全な場所に車を停め、ライト周りの雪を除去してから運転を再開すると良いでしょう。
雪道では渋滞や立ち往生のリスクが高まります。燃料切れにならないよう、燃料は常に余裕を持って満タンに近い状態にしておくことを心がけましょう。
フロントガラスの曇りや凍結を防ぐデフロスターや、車内を暖めるヒーターが正常に作動するか、事前に確認しておきましょう。
出発前に、安全な場所でブレーキの効き具合を軽く確認しておくと良いでしょう。
万が一のトラブルに備えて、車に積んでおくと役立つアイテムをいくつかご紹介します。これらのアイテムがあるだけで、いざという時の安心感が大きく変わりますよ。
| アイテム | 詳細 |
|---|---|
| スコップ・スノーブラシ | 駐車場やタイヤ周りの雪かき、万が一スタックしてしまった際の除雪作業に役立ちます。コンパクトな車載用スコップも販売されています。 |
| 牽引ロープ | 雪にはまって動けなくなった際に、他の車に引っ張ってもらう時に使います。丈夫で、フックがしっかりしたものを選びましょう。 |
| ブースターケーブル | バッテリー上がりの際に、他の車から電気を分けてもらうために必要です。冬場はバッテリー上がりが多いため、備えておくと安心です。使用方法を間違えると相手の車を故障させる場合があります。必ず使用上の注意点を確認してから接続しましょう。 |
| 解氷スプレー・スクレーパー | 凍結した窓ガラスや鍵穴、ワイパーの氷を溶かしたり、削り取ったりするのに使います。急な冷え込みでフロントガラスが凍結してしまっても、これがあれば素早く視界を確保できます。 |
| 毛布・防寒着 | 立ち往生して長時間車内で待機する際、エンジンの停止が推奨されることもあります。そんな時に体を冷やさないための防寒具は非常に重要です。 |
| 作業用手袋・長靴 | チェーンの装着作業や雪かきなど、車外での作業時に手や足が濡れたり冷えたりするのを防いでくれます。 |
| 懐中電灯 | 夜間のトラブルやチェーン装着作業時に、手元を照らすために必要です。 |
| 携帯トイレ | 雪道での渋滞や立ち往生は予測できません。いざという時のために準備しておくと安心です。 |
| 非常食・飲料水 | 長時間車内で待機する可能性も考慮し、カロリーメイトや保存水などを積んでおくと良いでしょう。 |
| モバイルバッテリー | スマートフォンの充電が切れてしまうと、連絡手段がなくなってしまいます。予備の電源として持っておくと安心です。 |
雪道での運転は、普段の運転とは大きく異なります。安全に走行するためには、基本的な操作方法をしっかりとマスターすることが大切です。ここでは、雪道運転で特に意識してほしいポイントを詳しくご紹介します。
雪道運転で最も大切なのは、「急」のつく操作を避けることです。急な操作は、タイヤのグリップ力を失わせ、スリップや横滑りの原因となってしまいます。
具体的には、次の4つの「急」に注意しましょう。
これらの「急」な操作を避けることで、タイヤが路面をしっかりと捉え、安定した走行につながります。

雪が積もった道では、前の車が走った跡にできる「轍(わだち)」が見られることがありますね。この轍をどのように走るかが、雪道運転のポイントの一つです。
基本的に、轍に沿って走行するのが安全です。轍の中は、他の車によって雪が踏み固められていることが多く、比較的安定して走行しやすいからです。 ただし、轍の縁にタイヤが乗り上げたり、無理に轍から外れようとしたりすると、ハンドルを取られてしまう危険性もあります。 轍から無理に外れようとせず、自然な流れで走行することを心がけましょう。
また、深い轍にタイヤがはまってしまうと、車体の下を雪が擦ってしまい、走行不能になる可能性もあります。特に、轍の深さが不均一な場所や、凍結している可能性のある轍には注意が必要です。 速度を落とし、慎重に運転してください。
雪道では、路面の摩擦係数が非常に低くなるため、少しのきっかけでタイヤが横滑りしてしまうことがあります。特に、カーブや坂道、交差点での発進・停止時には注意が必要です。
横滑りを防ぐためには、先ほどお話しした「急」のつく操作を避けることが大前提です。加えて、次の点にも意識を向けてみてください。
もし万が一、車が横滑りしてしまったら、慌てずにハンドルを車の進行方向(滑っている方向)に向けてください。 そして、アクセルやブレーキの操作は控えめに、ゆっくりと元の姿勢に戻すように努めましょう。 最近の車には、横滑り防止装置(ESCやVSCなど)が搭載されていることが多いですが、過信は禁物です。 基本は、ドライバー自身の慎重な運転が一番大切です。
雪道での制動距離は、乾燥した路面に比べて2倍、場合によっては3倍以上に伸びると言われています。 そのため、普段よりもずっと長い車間距離を確保することが、雪道運転では非常に重要になります。
前の車との距離が短いと、急ブレーキを踏まざるを得ない状況になった時に、停止しきれずに追突してしまう危険性が高まります。 特に、信号の手前や交差点、坂道など、停止や減速が予測される場所では、意識的に車間距離を広めにとるようにしましょう。 早めに危険を察知し、余裕を持って減速・停止できるような運転を心がけることが、事故防止につながります。
雪が降っている時や、雪が舞い上がっている時など、雪道運転では視界が悪くなることがよくあります。 視界の確保は、安全運転の基本中の基本です。視界が悪いと、歩行者や他の車、障害物の発見が遅れてしまい、非常に危険です。
視界を良好に保つために、以下の対策をしっかりと行いましょう。
雪や泥でフロントガラスが汚れたら、こまめにワイパーを動かし、ウォッシャー液を使って視界をクリアに保ちましょう。 ウォッシャー液は、寒冷地仕様のものや、凍結しにくいタイプを選ぶと安心です。
窓ガラスが曇ってしまったら、デフロスター(フロントガラス)やデフォッガー(リアガラス)を積極的に活用して、曇りを取り除きましょう。エアコンを外気導入にして、除湿モードで使うのも効果的です。
雪が降っている時は、昼間でもヘッドライトを点灯しましょう。 自分の車の存在を他のドライバーに知らせるだけでなく、路面の凹凸を見つけやすくする効果もあります。霧や吹雪で視界がさらに悪くなる場合は、フォグランプも併用すると良いでしょう。 ただし、フォグランプは対向車にとって眩しく感じることもあるため、状況に応じて使い分けが大切です。
視界が悪い時は、速度を普段よりも大幅に落として運転することが何よりも重要です。 前方が見えにくい状況では、予測できる危険が減るため、ゆっくりと慎重に進むようにしてください。
また、他の車が巻き上げる雪煙(スノースモーク)で一時的に視界がゼロになることもあります。 そのような時は、焦らずに速度を落とし、前方の状況が確認できるまで待つようにしましょう。 安全な場所で停車して視界が回復するのを待つのも賢明な判断です。
雪道と一口に言っても、その表情はさまざまです。路面状況によっては、想像以上に危険な状態になっていることがあります。ここでは、特に注意が必要な雪道の種類と、それぞれの見極め方、そして安全な運転のポイントをご紹介します。

雪道運転で最も恐ろしい現象の一つに、ブラックアイスバーンがあります。これは、路面に薄い氷の膜が張っている状態を指します。一見すると濡れたアスファルトのように見えるため、ドライバーは凍結していることに気づきにくく、突然スリップしてしまい大変危険です。
ブラックアイスバーンが発生しやすい場所は、主に以下の通りです。
では、ブラックアイスバーンを見極めるにはどうすれば良いのでしょうか。まず、路面の色が黒っぽく濡れているように見えても、凍結している可能性があると疑うことが大切です。特に、気温が氷点下になる夜間や早朝、または日中でも0度前後で推移している場合は、ブラックアイスバーンの発生を警戒してください。
路面が凍っていない時にはタイヤが水飛沫をあげて「バシャバシャ」と音がしますが、路面凍結時の走行音はとても静かです。濡れているように見えるのに走行音が静かな場合にはすでに路面が凍結している可能性があるため注意しましょう。また、前を走る車がいる場合には、その車が水しぶきを上げているかどうかを見るのも効果的な確認方法です。
もしブラックアイスバーンに遭遇してしまったら、決して慌てないことが重要です。急なハンドル操作や急ブレーキは絶対に避け、アクセルをゆっくりと戻し、エンジンブレーキを使ってじわじわと減速しましょう。ハンドルは車の向きを修正する程度に、最小限の操作にとどめてください。
ホワイトアウトとは、猛吹雪によって視界が完全に遮られ、空と地面の境目や、道路の状況が全く分からなくなる現象です。特に雪深い地域で発生しやすく、方向感覚を失い、重大な事故につながる恐れがあります。
ホワイトアウトに遭遇してしまった場合は、前の車のテールライトの赤い光が目安になります。そのため、後続車の追突を防止するために必ずライトを点灯しましょう。この時、視界を確保するためにヘッドライトを上向き(ハイビーム)にすると、光が乱反射して眩しくなり、かえって見えづらくなることがあります。ヘッドライトは下向き(ロービーム)に、必要に応じてフォグランプ(霧灯)をするのが良いでしょう。
また、無理に走行を続けることは非常に危険ですので、視界が確保できない場合は、無理せず路肩などの安全な場所に車を停車するのも大切な判断です。その時はハザードランプを点けて、天候の回復を待つようにしましょう。
新しく積もった雪や、車に踏み固められた雪道も、それぞれ異なる危険性を秘めています。路面状況を正確に判断し、適切な運転を心がけましょう。
【特徴】
降ったばかりの柔らかい雪が積もった状態です。
一見すると滑りにくそうに見えますが、雪の深さによってはスタックしやすく、また、その下に凍結した路面が隠れていることもあります。
【運転の注意点】
ゆっくりと発進し、急ハンドルや急ブレーキを避けてください。
深雪の場合は、わだちを避けて走るか、わだちの中を慎重に走行しましょう。
深い新雪では、車の底が雪に乗り上げて動けなくなる(亀の子状態)可能性もありますので、特に注意が必要です。
【特徴】
車が繰り返し走行することで、雪が踏み固められ、硬くなった状態です。
見た目は走りやすそうに見えますが、非常に滑りやすく、特に日中の気温上昇で表面が溶けて、夜間に再凍結するとアイスバーンに近い状態になることもあります。
【運転の注意点】
車間距離を十分に取り、速度を控えめに運転しましょう。
「急」のつく操作(急発進、急加速、急ハンドル、急ブレーキ)は絶対に避け、常に滑りやすい路面であることを意識して運転しましょう。
カーブの手前では十分に減速し、ゆるやかに曲がるように心がけてください。
路面が凸凹し、車体が大きく揺れ、ハンドルを取られることがあるので常に車の挙動に注意しましょう。
これらの危険な路面状況は、天候や時間帯によって刻々と変化します。常に路面状況に意識を向け、少しでも異変を感じたら速度を落とすなど、慎重な運転を心がけることが、雪道での安全運転につながります。
雪道での運転は、どれだけ注意していても予期せぬトラブルに見舞われることがあります。例えば、雪にタイヤが埋まって動けなくなる「スタック」や、大雪による交通渋滞で長時間立ち往生してしまうといった状況です。
そんな時でも、落ち着いて適切な対処法を知っていれば、安全に乗り切ることができます。いざという時のために、しっかりと確認しておきましょう。
もし運転中にタイヤが雪に埋まってしまい、車が動かなくなってしまったら、まずは焦らず冷静になることが大切です。無理にアクセルを踏み込むと、さらに状況が悪化することもあります。
以下の手順で、安全に脱出を試みましょう。
後続車にハザードランプを点灯させて危険を知らせ、可能であれば発煙筒や停止表示器材(三角表示板)を設置してください。特に夜間や視界の悪い時は、早めの安全確保が重要です。
スタックの原因となっているタイヤ周りの雪や、車体の下に溜まった雪を、スコップや足で丁寧に取り除きます。特に駆動輪(前輪駆動車なら前輪、後輪駆動車なら後輪)の前に雪が固まっていないか確認しましょう。
駆動輪の下に、滑り止めになるものを敷いてみましょう。車のフロアマットや、あれば砂、小石、木の板、軍手などが有効です。タイヤが地面に食い込むように、しっかりと敷き詰めるのがポイントです。このような事態が起こりやすい道路では、道路脇に砂袋が設置されていることもあります。必要に応じてそれを利用し、脱出を図りましょう。
滑り止めを敷いたら、ギアを「D(ドライブ)」と「R(リバース)」に交互に入れ替え、アクセルをゆっくりと踏み込みながら、ゆりかごのように車を前後に揺らして反動をつける「ロッキング走行」を試してみてください。勢いよくアクセルを踏むと、さらに深く埋まってしまう可能性があるので注意が必要です。
自力での脱出が難しいと感じたら、無理は禁物です。JAF(日本自動車連盟)やご加入の自動車保険会社のロードサービスに連絡して助けを求めましょう。携帯電話のバッテリー残量にも注意し、緊急連絡先を控えておくと安心です。
大雪によって予期せぬ渋滞に巻き込まれ、長時間立ち往生してしまうこともあります。そんな時も、焦らず落ち着いて行動することが大切です。
ラジオやスマートフォンの交通情報アプリなどを利用して、現在の状況や復旧の見込みを確認しましょう。状況が分かれば、不安も少しは和らぎます。家族や友人にも連絡を入れて、状況を伝えておくと安心です。
長時間停車する場合は、ハザードランプを点灯し、周囲の車に自分の存在を知らせましょう。特に注意が必要なのは、一酸化炭素中毒です。
マフラーが雪で埋まってしまうと、排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を引き起こす危険があります。定期的にマフラー周りの雪を取り除き、窓を少し開けて換気することも忘れないでください。
エンジンをかけっぱなしにする場合は、少なくとも1時間に1回は窓を数センチ開けて換気しましょう。
いつ解消するかわからない渋滞では、燃料の残量が心配になります。暖房は必要最低限に抑え、エンジンをこまめに停止して燃料を節約しましょう。ただし、極端な寒さは体調を崩す原因にもなるため、無理はしないでください。
車内に防寒着、毛布、カイロ、温かい飲み物などを常備しておくと、いざという時に役立ちます。また、長時間同じ姿勢でいるとエコノミークラス症候群のリスクも高まるため、適度に体を動かしたり、休憩を取ったりすることも大切です。
長時間にわたる立ち往生に備え、特に役立つ車載アイテムを以下にまとめました。これらの準備があれば、万が一の時でも安心して過ごせるでしょう。
| カテゴリ | 具体的なアイテム | ポイント |
|---|---|---|
| 防寒・保温グッズ | 毛布、ブランケット、防寒着、カイロ、手袋、厚手の靴下 | 体温低下を防ぎ、長時間の寒さから身を守ります。 |
| 食料・飲料 | 非常食(栄養補助食品、ビスケットなど)、水、温かい飲み物(魔法瓶入り) | 長時間にわたる待機に備え、エネルギーと水分を補給します。 |
| 情報・通信 | 携帯電話(予備バッテリーやモバイルバッテリー)、ラジオ、充電ケーブル | 交通情報収集や緊急連絡手段を確保し、連絡が途絶える事態を防ぎます。 |
| 緊急脱出・作業 | 牽引ロープ、スコップ、ブースターケーブル、軍手、懐中電灯 | スタック時の脱出や、簡単な応急処置に役立ちます。 |
| その他 | 携帯トイレ、ウェットティッシュ、ゴミ袋、タオル | 長時間の車内待機における衛生面や快適性の維持に役立ちます。 |
常に「もしもの時」を想定して備えておくことが、雪道運転のトラブルを乗り切るための重要なポイントです。
雪道運転は、普段の運転とは大きく異なるため、事前の準備と心構えが何よりも大切です。
この記事でご紹介したように、出発前のタイヤやチェーンの確認、そして「急」のつく操作を避ける基本的な運転操作が、安全な雪道運転のポイントになります。特にブラックアイスバーンやホワイトアウトといった危険な路面状況を理解し、無理をしない判断も重要です。万が一のトラブルに備えて、車載グッズの準備も忘れないでください。
少しでも不安を感じたら、運転を控える勇気も必要です。これらの情報が、皆さんの冬のドライブを安全で快適なものにする一助となれば幸いです。