今お持ちの運転免許証、有効期限は切れていませんか? 今回は、運転免許の更新手続きの流れや必要書類、費用、講習内容など、免許更新にについて解説します。有効期限の確認方法といった基本的な疑問から、優良・一般・初回更新者ごとの違い、よくある質問まで網ご紹介。スムーズな免許更新のための必須情報をこのコラムでお伝えします。
運転免許証は有効期限があり、期限が切れる前に更新手続きを行う必要があります。まずはじめに、免許更新の重要性や更新期間について解説します。
免許証は、自動車などを運転するための資格を証明する大切な書類です。有効期限が切れた免許証で運転すると、無免許運転とみなされ、厳しい罰則が科せられます。道路交通法では、無免許運転に対して、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が規定されています。一時不停止や速度超過などの軽度の交通違反は、交通反則通告制度によって比較的少額の反則金の納付で済ますことができます。しかし運転免許証の期限切れ状態での無免許運転はこの対象ではありません。また、期限切れの状態で人身事故を起こした場合には、さらに重い罰則が科せられる可能性があります。安全運転のためにも、免許証の有効期限には常に注意し、期限内に更新手続きを行いましょう。
免許更新を忘れて期限が切れてしまった場合でも、一定の猶予期間内であれば、所定の手続きを行うことで免許を更新できます。
有効期限から6ヶ月以内の場合、失効再取得手続を行い、学科試験と技能試験が免除され適性試験のみの受験で済ますことができますが、やむを得ない理由がなく失効後6か月を経過し1年以内の場合は失効再取得手続を行うことができず、普通・準中型・中型または大型免許を持っていた方は、仮免許証からのスタートとなってしまいます。
1年以上経過してしまった場合、再び運転免許を取得するためには、運転免許試験場での学科試験や技能試験など、最初からすべての手続きをやり直す必要があります。免許の再取得には時間と費用がかかるため、有効期限には十分注意しましょう。
免許の更新期間は、運転免許証の有効期限が満了する日の前後1ヶ月間です。例えば、有効期限が令和7年5月10日の場合、更新期間は令和7年4月10日から令和7年6月10日となります。
有効期限は運転免許証に記載されています。
次の運転免許証画像のゴールド部分「00年00月00日まで有効」の部分が運転免許証の有効期限となります。
更新期間は、以下の方法で確認できます。
免許の有効期間は、更新時の年齢や違反歴によって異なります。
区分 | 更新日などにおける年齢 | 有効期間の末日 |
---|---|---|
優良運転者および一般運転者 | 70歳未満 | 更新前の免許証の有効期間が満了した後の5回目の誕生日から1ヶ月が経過する日 |
優良運転者および一般運転者 | 70歳 | 更新前の免許証の有効期間が満了した後の4回目の誕生日から1ヶ月が経過する日 |
優良運転者および一般運転者 | 71歳以上 | 更新前の免許証の有効期間が満了した後の3回目の誕生日から1ヶ月が経過する日 |
初回更新者、違反運転者 | - | 更新前の免許証の有効期間が満了した後の3回目の誕生日から1ヶ月が経過する日 |
免許の更新期間は、誕生日の前後1ヶ月間です。免許証の交付日が基準ではありません。なお、誕生日を過ぎてから更新することで次の免許の有効期間を伸ばすこともできます。スケジュールに余裕のある方は誕生日後の更新手続きを、更新忘れが心配な方やスケジュールに余裕のない方は誕生日前の更新手続きがおすすめです。
免許更新にはいくつかの書類が必要です。事前に準備しておけば、手続きをスムーズに進めることができます。必要な書類は、更新場所や個々の状況によって異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
ほとんどの場合、以下の書類が必要です。
書類 | 説明 |
---|---|
運転免許証 | 現在有効な運転免許証。更新手続きには必須です。 |
更新連絡書(はがき) | 誕生日の約2か月前に送られてくるはがき。紛失した場合でも手続きは可能ですが、スムーズな手続きのために大切に保管しておきましょう。 |
運転免許証更新にかかる手数料 | 更新手数料は優良運転者、一般運転者、初夏運転者によって異なります。概ね2,500円〜4,500円程度。現金支払いのほか、キャッシュレス決済に対応している場合があります。 |
メガネ・コンタクト・補聴器等 | 視力・聴力等の適性検査があるため該当の方。 |
住民票(本籍地記載のもの) | 本籍の変更がある方。 |
高齢者講習終了証明書 | 高齢者講習対象の方は事前に最寄りの自動車学校で事前に受講しなければなりません。 |
運転技能検査結果証明書 | 75歳以上の方で受験した方のみ |
マイナンバーカード | マイナ免許を希望される方 |
有効な署名用電子証明書の暗証番号(6~16桁の英数字) | マイナ免許を希望される方 |
状況によっては、追加の書類が必要になります。以下はよくある例です。
住民票の写し、マイナンバーカード、本人の住所氏名が記載された公共料金や携帯電話の領収書、消印付郵便物など、現住所が確認できる書類の提示が必要です。住民票の写しは、発行日から3か月以内のものが必要です。また、本籍の記載された住民票が必要となる場合もあります。事前に管轄の運転免許センターまたは警察署に確認することをお勧めします。
本籍(国籍等)の変更の場合は運本籍(国籍等)記載の住民票の写しの提出が必要です。
氏名のみ変更の場合は、マイナンバーカードの提示でも可能です。
住民基本台帳の適用を受けない方はパスポート等の提示が必要となります。
マ旧氏欄または通称欄に記載がある住民票の写し、マイナンバーカード(券面上に旧氏または通称が併記されているもの)いずれか1点の提示が必要となります。
運転免許の更新手続きは、更新場所によって若干異なります。大きく分けて、警察署に併設されている交通センター(運転免許更新センター)で行う場合と、都道府県警察が管轄する運転免許試験場(運転免許センター)で行う場合の2パターンがあります。
交通センターでの運転免許更新は優良運転者、一般運転者、高齢運転者を対象に行なっています。違反運転者、初回更新者の更新手続きを行なっていない場合もあるため必ず事前に確認しましょう。
多くの場合、各市区町村に設置されているので、免許センターまでの距離が遠い場合には交通センターでの免許更新が便利です。
ただし、即日交付されず、後日受け取りの場合もあります。即日交付を受けたい方は、最寄りの運転免許センターまで更新手続きに行きましょう。
運転免許センターで免許更新手続きは全ての運転者を対象に行なっています。違反運転者や初回更新者もここで更新手続きをすることができます。
運転免許センターで更新手続きをした場合、新しい免許証は即日交付されます。今すぐに新しい免許が必要な方は運転免許センターで更新手続きを行うことをお勧めします。
更新手続きが下記の流れに沿って行われます。
どちらの場合も、更新手続きには数時間程度かかる場合があります。時間に余裕を持って行くようにしましょう。また、更新場所や手続きの詳細については、各都道府県の警察本部ウェブサイトなどを参照してください。
免許更新には、手数料や講習費用などいくつかの費用がかかります。費用の種類や金額は、運転免許証の種類や更新時の運転者区分(優良運転者、一般運転者、違反運転者、初回更新者)によって異なります。
更新手数料は、運転免許証の種類によって異なります。主な種類は以下の通りです。
対象者 | 手数料 |
---|---|
優良講習対象者 | 3,350円 |
一般講習対象者 | 3,650円 |
初回講習対象者 | 4,250円 |
高齢者講習対象者 | 2,850円 |
上記はあくまで主な免許の種類と手数料であり、一部例外もあります。 詳しくは、各都道府県公安委員会の案内をご覧ください。
更新手数料以外にも、運転免許証の郵送受け取りを希望する場合には郵送代や、運転免許証用の写真代などの費用がかかる場合もあります。郵送を希望しない場合や、写真を持ち込む場合には発生しません。
交通センターで免許更新手続きをした場合、新しい免許証を後日受け取りにいくか、郵送してもらうかを選ぶことができます。郵送を希望する場合はおおむね800円~1,000円程度を支払うと自宅まで郵送してもらうこともできます。
免許証用の写真は、更新手続きを行う際に撮影することができます。写真代は、各都道府県や更新場所によって異なりますが、おおむね800円~1,000円程度です。一部の運転免許試験場では、自分で撮影した写真を持参することも可能です。その場合、写真代はかかりません。 しかし、写真には一定の規格がありますので、事前に確認しておく必要があります。
これらの費用以外にも、交通費や駐車場代などがかかる場合があります。更新場所によっては、クレジットカードや電子マネーでの支払いが可能な場合もありますので、事前に確認しておくと便利です。
免許更新時には、必ず更新時講習を受講する必要があります。講習の内容は、運転者の区分(優良運転者、一般運転者、初回更新者)によって異なります。
運転者区分 | 講習時間 |
---|---|
優良運転者 | 30分 |
一般運転者 | 60分 |
初回更新者 | 120分 |
講習では、交通ルールや安全運転の知識、最新の交通事情などについて学びます。具体的には、以下の内容などが含まれます。
講習は、指定された講習会場で受講します。講習会場は、各都道府県の警察本部ウェブサイトなどで確認できます。講習開始時刻に遅刻すると受講できない場合があるので、時間に余裕を持って会場に向かいましょう。
運転免許の更新手続きは、運転者の区分によって手続き内容や講習時間が異なります。それぞれの区分について詳しく見ていきましょう。
優良運転者とは、免許を受けている期間が継続して5年以上で、更新前5年間に違反行為等をしたことがないドライバーです。ゴールド免許証が交付されます。
項目 | 内容 |
---|---|
講習時間 | 30分 |
講習内容 | 優良運転者講習(交通安全に関する法律の改正点や安全運転の知識など) |
免許証の色 | ゴールド |
有効期限 | 5年 |
一般運転者とは、更新前5年間に3点以下の軽微な違反が1回のみの方。または、優良運転者・違反運転者・初回更新者・高齢者講習のいずれにもあてはまらない方。ブルー免許証が交付されます。
項目 | 内容 |
---|---|
講習時間 | 60分 |
講習内容 | 一般運転者講習(交通ルールや安全運転の知識など) |
免許証の色 | ブルー |
有効期限 | 通常5年 |
初回更新者とは、免許取得後初めて更新を迎えるドライバーです。取得後3年で更新を迎えます。講習時間や内容は、その期間の運転記録によって優良運転者、一般運転者、違反運転者のいずれかに該当します。
項目 | 内容 |
---|---|
講習時間 | 120分 |
講習内容 | 初回運転者講習 |
免許証の色 | グリーン |
有効期限 | 3年 |
免許更新に関してよくある質問をまとめました。疑問を解消して、スムーズな免許更新手続きを行いましょう。
免許の有効期限が切れてしまった場合、失効となり、改めて試験を受け直す必要があります。ただし、失効後6ヶ月以内であれば、失効再取得手続を受けることで免許を再取得できます。6ヶ月を超えると仮免許からやり直しとなりますので、更新期間にはくれぐれもご注意ください。詳しくは新潟県警察ウェブサイトをご覧ください。
海外渡航や入院、刑務所等に収容されていたなどの理由のため、定められた期間内に運転免許証の更新等の手続を行えなかった場合は「やむを得ない事情があった」とみなされます。
海外滞在などで更新期間中に更新手続きができなかった場合、失効後3年以内であれば、失効再取得手続を受けることで免許を再取得できます。その際、やむを得ない理由を証明する書類が必要となります。
海外渡航が決まり、免許更新期間中の更新が難しいとわかった時点で、事前に最寄りの警察、または免許センターなどに相談すると良いでしょう。
こちらも海外渡航同様、やむを得ない事情があり免許更新が困難と判断される場合があります。まずは最寄りの警察、または免許センターなどに相談しましょう。
はい、免許更新時には、視力検査が必ず実施されます。視力基準を満たしていない場合は、眼鏡やコンタクトレンズの着用が条件となる場合があります。また、車種によっては深視力検査も実施され、一定の基準を満たしていない場合は、大型免許や第二種免許の取得・更新が制限されることがあります。
新しくできたマイナ免許、まだよく知らないという方も少なくないと思います。マイナ免許に関してはメリットもあればデメリットもあるといった現状があります。それを知った上での切り替えをおすすめしますので、詳しくは以前公開したコラムをご覧ください。
免許更新は、安全運転を継続するために非常に重要な手続きです。更新を怠ると運転免許が失効し、運転ができなくなります。また、失効した状態で運転すると無免許運転となり、厳しい罰則が科せられます。スムーズに免許更新を行うためにも、以下の注意点に留意しましょう。
免許の更新期間は限られています。更新期間を過ぎてしまうと、通常の更新手続きでは更新できなくなり、失効再取得手続が必要となる場合があります。そうなると、経過日数によっては改めて学科試験や技能試験を受けなければならず、時間と費用が余計にかかってしまいます。
更新期間は余裕をもって確認し、更新忘れを防ぎましょう。誕生月や免許証交付日を基準に、更新時期を把握しておくことが重要です。手帳やカレンダーに記録しておく、スマートフォンのリマインダー機能を利用するなど、自分に合った方法で管理しましょう。
免許更新が必要となる誕生日の約40日前に運転免許証更新通知書が郵送されます。これが届くことで更新時期を再確認することができます。
しかし、うっかり免許を失効させてしまった方の多くは、他の郵便物に紛れ込んでしまい紛失してしまったり、家族が誤って捨ててしまうなどのトラブルがあり、更新時期に気づかないことがあります。
特に、地元を離れて一人暮らしをしている学生などは、地元に住民登録があると実家に運転免許証更新通知書が送られてしまい、本人には通知書が届きません。
このようなケースで更新時期に気づかない場合もあるので、免許を取った際には家族にも運転免許証更新通知書が届いた際には誤って捨ててしまわないよう連絡しておきましょう。
免許更新には、いくつかの必要書類があります。これらの書類に不備があると、更新手続きがスムーズに進みません。事前に必要な書類をしっかりと確認し、準備しておきましょう。特に、視力検査の結果によっては眼鏡等が必要となる場合があるので、忘れずに持参しましょう。また、住所変更があった場合は、住民票などの証明書類が必要となる場合があります。更新連絡書(はがき)をよく確認し、必要書類を漏れなく準備しましょう。
有効期限が切れた運転免許証で運転することは、無免許運転とみなされ、道路交通法違反となります。決して期限切れの免許証で運転しないようにしましょう。違反した場合、厳しい罰則が科され、その後の生活にも大きな影響を及ぼす場合があります。期限切れに気づいたら、速やかに更新手続きを行いましょう。更新期間が過ぎてしまった場合でも、手続きを行うことは可能です。ただし、一定期間が経過すると失効となり、再取得が必要になる場合があるので注意が必要です。
これらの注意点を守り、安全運転を心がけましょう。
今回は、運転免許証の更新手続きについて、必要書類、費用、更新期間、講習内容などを解説しました。更新期間は運転免許証で確認できます。更新忘れにはくれぐれも注意し、運転免許証更新通知書(はがき)が届いたら早めに手続きを行いましょう。スムーズな免許更新のため、この記事を参考に準備を進めてみてください。