風を切って走る爽快感。日常を離れる解放感。旅先で仲間と見た美しい景色。バイクツーリングはまるで青春ドラマのようでワクワクするものです。しかし初めてだと「道に迷ったらどうしよう…」「みんなに迷惑かけないかな」など、不安もあると思います。でも安心してください。今回はソロツーリングからマスツーリングまで、ツーリングを楽しむためのポイントについて解説します。
バイクツーリングの魅力
まずは、改めてバイクツーリングの魅力について考えてみましょう。
バイクは、自動車では感じられない風の香り、エンジンの鼓動、刻々と変化する景色を360°感じることができます。
日常の喧騒を離れ、自分のペースで、自分の好きな場所へ行くことができる。時間に縛られない旅は五感を通して、自然を体感することができます。
また、同じ趣味を持つ仲間とのツーリングはかけがえのない思い出となります。共に走り語らう時間はなにより楽しいひとときです。
旅先での一期一会は、よりバイクという乗り物を特別なものにしていきます。
このように五感を刺激する体験ができるところはツーリングの魅力と言えるでしょう。
ツーリングの準備
ツーリングを安全に楽しむためには、事前の準備と心構えが大切です。
無理のない運転計画を立てる
体力や経験に合わせて、走行距離やルートを慎重に計画しましょう。
休憩の目安は概ね2時間に1度と言われますが、不慣れな方や、高速道路や山道を走行する場合には思ったより体力や集中力が削られるものです。こまめに休憩できる計画をあらかじめ立てておきましょう。
また、時間におわれるとどうしても運転に無理が生じてしまいます。到着予定時間は余裕を持った時間で設定し、時間にゆとりをもって運転できる計画になっているかもチェックしましょう。
安全な服装を用意
ヘルメット、グローブ、プロテクターなど、安全装備は必ず着用し、万が一の事態に備えましょう。
死亡事故の多くは頭部や胸部への強いダメージによるものです。ヘルメットはもちろんですが、胸部プロテクターの着用も心がけましょう。特に夏は軽装ライダーをよく見かけます。ライダー向けの夏用快適グッズもさまざまなメーカーから出ていますので、夏でもジャケットの着用を怠らず、安全な服装で運転しましょう。
愛車の点検
出発前に、ブレーキの効きやタイヤの空気圧、ライト類、ガソリンの量などを点検し、愛車のコンディションを整えましょう。
ツーリング先での突然の故障もたびたびあることです。万が一に備えて車載工具も積んでおくと良いでしょう。
保険に加入
事故や故障の時のために自賠責保険はもちろん、任意保険にも加入しましょう。
ツーリング先で事故や故障があった場合、バイクで帰ってくることが困難になります。公共交通機関で帰路についたり、バイクをレッカーする自体もそうデイされます。そんな時に任意保険に入っていれば保険会社がサポートしれくれるので安心です。(私は以前山の中でバイクが故障し10km以上押して歩いたことがあります・・・しんどかった・・・涙)
ツーリングの注意点
ツーリングといっても一人で行くソロツーリングから、大勢で行うますツーリングなど様々なスタイルがあります。それぞれの注意点を見ていきましょう。
ソロツーリング
ソロツーリングは誰にも気兼ねなく、自分のペースで楽しめるのが魅力です。しかし、一人だからこそ、以下の点に注意しましょう。
綿密な計画
ルート、休憩場所、宿泊場所などを事前にしっかり計画し、不測の事態にも対応できるようにしましょう。
ルート作成時には複数の地図アプリなどを使用することをお勧めします。案内通り走行したら信じられないくらい細い道に出てしまったり、未舗装のガタガタ道を通る羽目になったりと怖い目に遭うこともあります。心配な場合にはストリートビューなどでどんな様子か確認してみるのも良い方法です。
体調管理
バイクに乗っている時は睡魔に襲われることはなさそうなイメージがあるかもしれませんが、めっちゃ眠くなります!!楽しみで前日眠りが浅くなってしまうこともあるかもしれません。事前の睡眠はしっかりとり、万全な状態で当日を迎えましょう。
特に単調な運転が続く高速道路は眠くなりがちです。高速域で風を受け続けるので体力も消耗してしまいます。無理な運転は避け、こまめに休憩を取り、体調の変化に気を配りましょう。
また、当日少しでも体調に違和感がある場合は無理せず中止することも大切な判断ですので、出発の判断は冷静に行いましょう。
仲間とのツーリング(2台〜5台程度)
仲間とのツーリングは、楽しさ倍増!ソロと違って仲間への思いやりも大切です。
役割分担
まずはリーダーとサブリーダーを決めるとよいでしょう。
リーダーとサブリーダーはそれぞれ先頭と最後尾につき、全員が安全に走行できるように気を配り、スムーズなツーリングになるよう心がけて運転します。
リーダーが飛ばしすぎたり、サブリーダーがもたついてしまうと思わぬ事故につながったり、隊列が分断されてコミュニケーションが取りづらくなってしまいます。なるべくリーダーとサブリーダーには運転に慣れたベテランを配置しましょう。
走行隊列
無理な追い越しや割り込みは避け、安全な車間距離を保ち、互いに配慮しましょう。
特に気の知れた仲間同士だと車間距離が近くなりがちです。仲間同士でも車間距離はしっかりと保ち、追突などのトラブルがないように注意しましょう。
休憩のタイミング
ソロツーリングと違い、複数人でのツーリングは休憩のタイミングが自由に取れない場合があります。
疲労度合いは人それぞれなので、たとえ自分は疲れていなかったとしてもこまめに休憩を取り、体調を確認し合って無理のないツーリングになるようお互いに配慮しましょう。
コミュニケーション
無理をしている人がいないか、たびたび声をかけ合い、互いの状況を把握しましょう。走行中には会話ができないこともあります。あらかじめハンドサインなどを決め、運転しながらもコミュニケーションが取れるようにしておくことも重要です。
また、近年ではインカムで通話しながらのツーリングも珍しくはありません。機材に互換性がある場合はあらかじめチャンネルを合わせておくとより快適にコミュニケーションを取ることができ便利です。
マスツーリング(10台〜)
マスツーリングは、大人数で行うツーリングです。普段は味わえない一体感が楽しめますが、注意すべきポイントもたくさんあります。今回は主催者ではなく参加者の注意点について以下にまとめます。
事前のミーティング
ルートや走行隊列、休憩場所、緊急時の連絡方法などを事前のメール連絡や、当日の出発前ミーティングなどで説明があります。必ず主催者やリーダーの話を確認しましょう。
経験者の指示を守る
主催者やリーダーの指示に従い、勝手な行動は慎み、安全を最優先に考えましょう。
残念ながら普段味わえない刺激のあるマスツーリングでは、時折調子づいて迷惑な運転行動をしてしまう人も見かけます。ライダーだけでなく道路を利用するすべての人に迷惑がかかってしまうので交通ルールを守ることはもちろん、事前説明にあった注意点や、マナーを守って楽しみましょう。
車間距離
前走車との車間距離を十分に保ち、急な停止にも対応できるようにしましょう。
何十台も連なるマスツーリングでは1台の転倒が元となって、大規模な続発事故を引き起こすこともあります。前車の斜め後ろを走行する”千鳥走行”をするなど、追突事故の防止に努めましょう。
また、信号待ちによる隊列の分断も度々発生します。前の人に着いていかなきゃ!と、黄色信号で加速したくなることも出てくるかもしれませんが大変危険ですので、慌てずに停止し青信号になるのを待ちましょう。大規模なマスツーリングでは先頭と最後尾だけでなく、間にもリーダー役の人が入ります。心配な時には近くのリーダー役に声をかけて指示をもらいましょう。
離脱時の連絡
やむを得ず隊列を離れる場合は、必ずリーダーに連絡しましょう。
マスツーリングで大切なのはなにより協調性です。ふらっといなくなったりするとみんなに迷惑がかかってしまいます。急な体調不良などで抜けなければならない場合には、必ず連絡を入れて情報を共有しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
バイクツーリングはライダーにしか感じることのできない魅力がたくさんあります。注意点はいくつもありますが、事前の準備と周りへの配慮があれば、自分の世界が広がる楽しい時間となります。
今回ご紹介したポイントを参考に、あなたらしいツーリングプランを立て、週末はぜひ愛車で出かけてみてはいかがでしょうか。